⽇本の学校体験ツアー in 御杖村

この日は、奈良県御杖村(みつえむら)で日本の小学校生活を体験するモニターツアーに参加しました。御杖村は奈良県の東の端、三重県との県境に位置し、一番近い街、三重県名張市から車で30〜40分です。

みつえ体験交流館
自然に囲まれた木造の「みつえ体験交流館」

体験プログラムは、かつて小学校であった「みつえ体験交流館」で開催されました。参加者は皆成人して社会人となっていますが、昔の楽しい小学校時代を思い出すのは、全然違う小学校生活を過ごした外国人にとっても、心温まるものですね。

豊かな自然に囲まれた木造の建物は、今も美しく保たれています。体験交流館に入ったら、特に私たちの注目を集めたのは、長さが100メートル以上にも及ぶ廊下でした。授業の時間が近づいてきて、参加者一人ひとり教室へと入っていきました。

1時間目:ホームルーム

チャイムが鳴ると、背が高い、やさしそうなおじいちゃんが入って来ました。わたしたち担任の先生でした。授業が始まりました。

Principal / 校長先生
本日の予定や注意事項を説明しているやさしい担任の先生

 
日本の小学校の先生は本当にお忙しいですね。一人で国語や算数、歴史などさまざまな科目を教えていて、一日中動き続けています。本当にお疲れ様です!私たち生徒もちゃんと勉強しなきゃと覚悟を決めましたよ。

授業はまず、「Kiritsu」、「Rei」、「Chakuseki」を黒板に書いて復唱することから始まりました。先生のおかげで、何度か繰り返すうちに、日本語がわからない外国人でも、すっかり言葉を覚えてしまいました。

次に、私たちは平仮名とカタカナの書き方を練習しました。先生の指導のもと、自分の苗字の発音に合った仮名だけ書きました。中国人にとっては難しいことではありません。なぜなら、中国人の苗字の発音は短いからです。たとえば、私の苗字は「付」で、発音は「フ」または「フウ」しかありません。すぐ書き終りました。先生に褒めていただきましたよ!大変嬉しいですね!

Kiritsu Rei Chakuseki

名札

2時間目:地域学習

2時間目は地域学習です。当番係をした生徒が1時間目の時習った「Rei」を言うと、全員が先生に向かってお辞儀をしました。

地域学習では御杖村の名前の由来を学びました。

非常に興味深い伝説が残っていることが分かりました。大昔、第11代垂仁天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする場所を探していました。旅していた際、候補地の印としてこの地域に杖を立てました。村の中には倭姫命に関連する神社や伝説が今も多く残っているようで、ロマンを感じさせられました。

しかしながら、私には一つ疑問が残りました。御杖村が天照大神をお祀りする場所の候補に挙がったにも関わらず、最終的にその地に選ばれなかったのはなぜなのでしょうか。担任の先生に尋ねても、その答えははっきりしませんでした。きっと御杖村よりもさらに適した場所があったからだと思いますが、候補地に選ばれただけで、御杖村の魅力が伝わってきますね。

教室


3時間目:図工

3時間目は図工です。竹とんぼ作りに挑戦しました。若い男性の先生が、竹の成長についての説明をしたあと、竹とんぼを飛ばすまでの工程を一つ一つ丁寧に教えてくださいました。

図工

いつもしっかりとメモを取る生徒がよいとされていますよね。私はそのよい生徒の一人でした(大笑)。

竹とんぼつくり
竹とんぼ作りに挑戦
たけとんぼ
見事な出来映え

4時間目:調理実習

4限目は調理実習です。地元の食材をふんだんに使った料理を作りました。スタッフの方々は、私たちが到着する前から、食材の準備を整えており、動き始めていました。私は焼き餅係を担当しました。きれいに焼くことができて、達成感や満足感でいっぱいでした。

もち

調理実習
楽しく調理実習に参加中

 皆の協力で、すべてのおかずが揃いました!ご飯を盛りつけたり、運んだりしてとても楽しかったです。出来たての料理は本当に格別の美味しさでしたね!

配膳

給食
出来たての料理、めっちゃおいしそうでしょう

掃除の時間

雑巾がけ
雑巾がけ競争に挑戦

午後になると、掃除の時間がやってきました。100メートルにも及ぶ長い廊下で雑巾がけ競争に挑戦しました。見た目ほど簡単ではありませんでした。10メートル進んだところで、既に足も手も固まり、力が入りにくくなっていました。でも、応援してくれる人たちのためにも、簡単に諦めるわけにはいきません!と思いながら、わたしは最後まで一生懸命に雑巾がけを頑張りました。疲れ切ってしまいましたが、非常に楽しい時間でした。

100mの廊下

帰りの会

小テスト
本日の小テスト

帰りの会では小テストもありました。

「御杖村のマスコットキャラクター『つえみちゃん』の髪型は、何をモチーフにしているでしょう?」という質問です。

村の名前の由来を知らなければ、確かに答えるのは難しいですよね。でも、私はしっかりと学んでいたので大丈夫です。先生にチェックしていただき、見事正解し、赤いはなまるをいただきました!

無事に卒業できて、なによりも嬉しいことです!

先生のおかげで、充実した一日を過ごすことができて、どうもありがとうございました。今日は本当にお疲れさまでした。

やはり、人間は大人になっても、どんな年齢になっても、素朴で楽しい生活を求める気持ちは変わりませんね。時には日常から離れ、リラックスできる場所で家族や友人と一緒に楽しい時間を過ごすことは、何物にも代えがたい幸せだと感じました。
 
次回御杖村を訪れる機会があれば、御杖村の自然を満喫するためハイキングや祭りなどに参加して、もっともっとたくさん地元の文化を体験してみたいです。御杖村さん、待っていてくださいね。

卒業