三重県にある伊勢神宮は、神道信者にとって最も重要な参拝の地として有名ですよね。江戸時代にはお伊勢参りが盛んに行われ、日本各地に参宮街道が設けられました。今日、これらの道は神道と日本の歴史の一部として記憶され、保存されています。今ではほとんどの人が歩かなくなった旧街道ですが、今でもその痕跡が残る市町村があります。奈良県東部の山間部に位置する御杖(みつえ)村には、大和から伊勢神宮に向かう主要なルートのひとつとして有名な伊勢本街道の一部が通っています。今回、御杖村内の伊勢本街道を歩きながら観光スポット巡るウォーキング・ツアーに参加しました。
最初に訪れたのは、御杖村町土屋原にある春日神社。厄除開運、心願成就などのご利益があるそうで、境内には樹齢400年以上の見事なイチョウの木があります。そのイチョウは、ラッパのように丸くなる珍しい葉を付けるのでラッパイチョウとして知られていて、丸まった黄色い落ち葉を見つけると幸運が訪れるといういわれがあるんですよ!僕自身、この葉っぱを見つけたことで、実際に幸運が来ましたよ。
次の目的地まで、さらに歩きます。途中、伊勢本街道沿いには石灯籠や小さな神社がありました。石灯籠は、常夜燈として道を照らすことのほかに、旅人が正しい方向に向かっていることを知らせるという役割があったそうです。
ひとしきり歩いた後、僕たち一行は伊勢本街道沿いにいくつかある峠のひとつである桜峠へと向かうため、森の中へ。山に入る手前で、僕たち一行を出迎えてくれたのは毛むくじゃらの友達!牛は人が通るたびに、囲いの中をダッシュ。たぶんこんなたくさんの人を一度に見たことがないので、人が通っている山道から離れたかったのかも。
桜峠を越え、御杖村役場を通り過ぎ、僕たちは昼食を食べに行きました。昼食はお弁当で、みんなで同じものを食べました。お弁当の中身は、おいしそうな牛焼肉、椎茸、柿、こんにゃく、サツマイモのきんとん。とてもよいタイミングで昼食を出されたので、盛りだくさんのウォーキング・ツアー後半戦のためのエネルギーは十分に補給できました。
昼食後は四社神社へ。この神社は、垂仁天皇の娘である倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大神を永久に祀る場所を探すために立ち寄った場所。伝説によると、倭姫命は神社の境内にある井戸で手を洗い、口をすすいだそうです。しばらく境内を散策した後、バスに乗り、御杖村内を通る伊勢本街道の最後の区間へ。
倭姫命にゆかりのある数々の岩、「敷津七不思議」に向かう途中、頭がない不思議な地蔵がありました。明治維新によって神仏分離令が出され、その結果、多くの寺院が廃墟と化したり壊されたりしました。そしてこのほこらの中に納められている仏像は、元々全身あったのに頭部だけ取り除かれてしまったというわけです。なんとも興味深い、歴史を物語る遺物。御杖に来たらぜひ立ち寄るべき!
次は、子もうけ石に立ち寄りました。この石は子育てと安産にご利益があるといわれています。その昔、倭姫命も子宝祈願をしたのでしょうか。この石は触ってもOK。むしろぜひ触ってみてください!伊勢本街道のこの「敷津七不思議」の区間を訪れる際は、ぜひメモ帳を持参してください。各のスポットにスタンプがあるので、スタンプラリーができます。 またはこちらからスタンプラリーの台紙をダウンロード できます。
その名のとおり、まるい丘の丸山公園。姫石(ひめし)明神が鎮座し、また、春には絶好の撮影スポットとなる桜の名所です。公園から姫石明神へ行くには、駐車場を突き当りまで進んでください。するとガードレールが見えるので、そこから急な階段を下っていくと、御杖村の秘境、姫石明神が現れます。
姫石明神に到着すると、背の高い鳥居が出迎えてくれます。鳥居の向こうには、女性のお尻に似ているといわれる石があります。見えますか?未だにどこがどう似ているのか謎です!旅の途中、倭姫命が婦人病の回復を祈願するために立ち寄った場所で、縁結びや安産のご利益があるそうです。ひっそりと佇む美しい神社は一見の価値あり。この神社を訪れると、静かな雰囲気に包まれることでしょう。
姫石明神をはじめ倭姫命にまつわる様々なスポットを巡ったら、次はいよいよ最後の目的地へ。御杖村にある道の駅に到着すると、マルシェが開催されていました!シェフや職人など、地元の出店者がテーブルやテントを出して、様々な商品を販売していました。僕は豚バラの串焼きと淹れたてのコーヒーをいただきましたが、他にも、うどん、おでん、リンゴ飴、織物のバッグ、木彫りのアートなど色々ありましたよ。このマルシェは、御杖村での素晴らしい伊勢本街道を探索した長い一日を締めくくる、嬉しいサプライズでした。
御杖村で伊勢本街道を散策するなら名張駅からレンタカーが便利で、駅から車で約40分です。名張から御杖村までの美しい山道を堪能したいなら、名張駅にあるなばり観光案内所でレンタサイクルを借りることもできます。Enjoy!