日本遺産の食と歴史を心と身体で感じる体験ツアー in 東吉野

国際交流員としてモニターツアーに招待されて、本当にすばらしい体験をしました。本日の目的は東吉野村へ行って、日本遺産の「食」と「歴史」を心と身体で感じることです。東吉野村は奈良県の中央東寄り、三重県に接するところに位置しています。日本にいるのがまだまだ浅い私にとっては、全然馴染みのない地域ですので、新たな発見が楽しみです。

名張駅に到着した時には、既に迎えのバスが待っており、他の参加者も多く集まっていました。簡単な自己紹介を交わした後、ワイワイと旅の話が弾みました。参加者全員が揃ったところで、いよいよ東吉野村への出発です!

バスは美しい道を走り抜け、道沿いにはまっすぐな木々が立ち並んでいました。時折、倒れている枯れ木も目にしました。その瞬間、「枯れ木も山の賑わい」という諺の真の意味を感じ取りました。

東吉野村

柿の葉寿司とお弁当

ふるさと村
ふるさと村

約1時間後、「ふるさと村」という所に到着しました。寒い天候のため、バスを降りるとすぐ室内に案内されました。

やさしくて温かい笑顔のスタッフの方々が既に食材の準備をしてくださっていました。みんな名札を付けており、中には夫婦で働いている方もいらっしゃいました。彼らの愛想の良さと温かさに、私たちも一瞬で家族の一員として迎えられたような感覚を覚えました。

食材

真っ白で透き通ったご飯、卵焼き、サバや鮭、柿の葉など、次々と運ばれてきました。わたしたちはエプロンを身にまとい、手をきれいに洗った後、柿の葉寿司の作り方を学び始めました。

柿の葉寿司を作る道具
お寿司を作るためのおいしそうな食材やかわいい道具

東吉野村に住んでいる人は、林業の仕事で通常、朝から一日中働くことが多いため、昼ご飯を持っていくことが習慣になっています。力仕事には栄養が必要ですので、お弁当には工夫が凝らされているわけです。魚は優れたタンパク質の源であり、地元で採れた新鮮な野菜も取り入れられています。

柿の葉には殺菌作用があり、それによってお寿司の日持ちが長くなるメリットもあるようです。柿の葉の風味がお寿司に移り、独特の香ばしさを楽しむことができるため、長い間愛されています。

柿の葉寿司を作る

スタッフの方々は丁寧に柿の葉寿司の作り方を教えてくださいました。みんな心を込めて真剣に取り組んでいました。

「お上手ですね」
「きれいにできましたね」

と、たくさんのほめ言葉をいただきました。

弁当を作る

いよいよ食事の時間がやってきました。おかずを一品ずつ選んでお弁当箱に詰め、お寿司も食卓に並べられました。

「いただきます」

とみんなで一斉に言ってから、食事を始めました。

弁当
栄養満点、おいしいお弁当の出来上がり

「おいしーい!」
「しあわせいっぱい!」

と言いながら、一粒も残さずどんぶり飯を完食しました!

皆でおいしいお弁当を楽しむだけでなく、他にも興味深いものがありました。それは丸型のお弁当箱と使い捨てのお箸(割り箸)です。かわいい円形のお弁当箱で、お弁当をより美味しく食べられました。

お箸も通常のものより長く、細くすらりとした形をしていて、とても使いやすかったです。使い捨てと言われましたが、一度使うだけではもったいないなあと思って、きれいにしてから持ち帰ることにしました。これからも大切に使っていきたいと思います。

お弁当箱

丹生川上神社 

丹生川上神社

次に丹生川上神社中社にお参りに行きました。本殿を背にして左手に進むと、大きな杉の木「叶えの大杉」が見えてきます。その太い幹からは、力強さや生命力が強く感じられました。家族の健康や願い事を込めて、「叶えの大杉」にハグしながら心の中で祈りました。それは特別な瞬間でとても感動的でした。木々は私たちにとっての癒しやパワーの源であり、自然の中でのふれあいは心身の健康や幸福感につながっています。そう考えながら、心に深い感動と平穏が訪れました。

叶えの大杉
「叶えの大杉」がもたらす感動

運気を開く龍玉

拝殿で「龍玉」を求めた私たちは、神社から少し歩いて、3つの川が合流する「夢淵」に向かいました。

龍玉
かわいい龍玉

「夢淵」に着くと龍玉の穴に息を三度吹き込み、龍神の加護を受けられるようにと心からお祈りしました。そして「東の滝(ひんがしのたき)」に龍玉を投げ入れた瞬間、まるで自然のパワーと一体となっているように感じました。

東の滝

東の滝
東の滝

林業見学

その後、私たちはバスに乗って山に林業見学に行きました。これまでは山の木を遠くから眺めるだけでしたが、今回は初めてこんなに近くで見ることができました。

林業見学

皆ヘルメットをかぶり、ガイドさんが東吉野村の林業について説明しながら、案内をしてくださいました。私のような素人には、東吉野村の木がどう見ても天然林に見えましたが、驚いたことに、実際には90%以上が人工造林とのことでした!70年、80年以上も前から生えている木がたくさんあるそうです。

林業見学

ちょっと待って。ということは、70年、80年前に、先人たちがここで汗を流しながら苗木を植えたということですよね。

木一本の値段を尋ねたところ、おおよそ8万円だと言っていました。安いとは言えないですが、70年以上もの成長期間を考えると、先人が苦労して植林し手入れしてきた努力が報われているのかなあと感じました。

食、歴史、自然を堪能

東吉野村では、雄大な自然を背景に、神秘的で伝統的なこの地域ならではの今までにない体験をすることができました。産業や文明の発達により、ますます自然から遠ざかり、忙しい都市生活を送っている方は、プレッシャーを感じたときに、ぜひ一度東吉野村を訪れてください。そこでずっと静かに成長している木を見るだけでも、きっと心が癒されると思いますから。