最近、ぶどう狩りが日本の夏の風物詩だということ知りました。そして名張が人気のぶどう狩りスポットであるということも。しかも、私の最寄り駅の名張駅からほど近い場所にぶどう狩り園があることを発見、ちょうど2023年のぶどう狩りシーズンがちょうど始まったばかりでした(7月20日から10月31日まで)。
ぜひ自分でやってみなければと思い、ぶどう狩りシーズンが始まった最初の週末に体験しに行くことにしました。
ぶどう園へ出発
GPSの目的地を「山ゆり案内所」に設定し、名張駅からスタートして車で10分ほど走ると観光案内所に到着。無料の駐車場があるのでそこに車を停めました。
受付に行くと、スタッフの方が出迎えてくれました。ぶどう狩りをしたいと伝えると、まずチケットを買うように促され、地図を渡されました。
今回はデラウェアの時期だったので、チケットは1,500円でした。
スタッフの方は地図を指差しながら、次はここのぶどう園に行くようにと案内してくれました。なるほど、地図を見て気づきました。この地域はいわゆる“ぶどう園村”なんですね。一帯にはいくつものぶどう園があり、それぞれ別々の会社や家族によって所有されているようです。
今回、私は「辻本園38号」というぶどう園でぶどう狩りを体験させていただくことになりました。
山ゆり案内所から車で150メートルほど走り、辻本園38号付近に到着。
ぶどう園近くの駐車場(無料)に車を停め、入り口まで歩きました。
すぐにぶどう園のオーナーの辻本さんという素敵な女性が出迎えてくれました。彼女にチケットを渡すと、手指を消毒してくださいと案内され、さらに体温もチェック。マスクをつける必要はないですが、スタッフによる健康チェックは必須のようです。
次に、辻本さんに代わり、スタッフの岡本さんがはさみとざるを渡してくれて園内のテーブルまで案内してくれました。いよいよぶどう狩り体験がはじまります。
岡本さんは私のテーブルまで行く途中、トイレ、手洗い場、水汲み場、いろんな種類の容器についてなど、園内の設備の説明をしてくれました。
岡本さんの話を聞きながら周囲を見回してみると、そこには美しいぶどう園が……。
ブドウの木とブドウの房でできた天井が園をおおっていました。白い袋に入った無数のブドウの房が木からぶら下がっているのは圧巻の光景でした。
食べ頃のデラウェアを摘む方法
次に、岡本さんがぶどう狩りのやり方を説明してくれました。
私のテーブルがある場所は、デラウェアが植えてあるエリア。私が訪れた時期はデラウェアが旬ということで、この日はデラウェアを収穫することになりました。
岡本さんから、食べ頃のデラウェアの房を摘むためのコツを説明していただきました。
コツ1:ブドウのツルは濃いほどよい
ブドウがなっている一番太いつツル(親ヅル)が濃い色であることを確認します。通常は、ブドウのツルは緑色をしていますが、ツルの色が濃くなっていれば、そこからぶら下がっているブドウが食べ頃である目印です。
コツ2:切る場所に注意する
房の上部で切りましょう。親ヅルは切らないこと。
コツ3:デラウェアは実の色が濃いほどおいしい
デラウェアの場合、紫色が濃いほど甘くてジューシーだそうです。
教えてもらったコツに従って、自分でブドウを選んで初めてのデラウェアを収穫してみました。
バケツの水で洗って食べてみました。すごく甘い。今まで食べたブドウの中で一番甘いかもしれません。
私の母国オーストラリアのブドウと比べると、このデラウェアはより甘みが強く、キャンディーのような感じ。とてもジューシーで香りも抜群でした。
個人的には、私はもう少し酸っぱいブドウが好みなのですが、このデラウェアは間違いなく美味しかったです。
ぶどう狩りのシステムについて
収穫したデラウェアを堪能していると、どんどんお客さん(家族連れが多かった)がやってきました。中にはお弁当のようなものを持ってきている人も。
食べ物や飲み物はぶどう園で売っているのか辻本さんに尋ねてみました。辻本さんによると、販売しているのはブドウだけで、食べ物や飲み物は売っていないそうですが、園で楽しむために飲食物の持ち込みは大歓迎とのことでした。また、一旦園を出て、外で何か食べてきてからまた入園することもできるそうです。滞在時間に制限はなく、閉園時間(午後5時)まで、好きなだけいることができます。
ぶどう園の真ん中にこんな看板がありました。
これを読んではじめて、私はこのぶどう狩りがビュッフェのようなものだと気づきました。お金を払ってぶどう園に入場すれば、園内でのブドウが食べ放題なのです。
辻本さんに、日本語がわからないお客さんにどうやってルールを説明しているのか尋ねてみたところ、英語版の看板はないとのこと。それを聞いて私は、英語版を作ってあげることにしました。辻本さんはその提案を喜んでくださり、早速私にマーカーと紙を渡してくれました。
約20分後、紙2枚に看板の英語訳を書いて辻本さんに見てもらいました。
辻本さんに翻訳した内容を説明したところ、とても感謝してくれて、飲み物とお弁当をいただきました。とても親切な辻本さん。
最後に
美しいぶどう園を散策して写真を撮りつつ、飲み物を飲んだり辻本さんからもらったおいしいお弁当を食べたり、そしてさらにブドウをもう何房か食べました。
今日のぶどう狩りはこのへんでおしまいにしようかな、と決めたころには、ぶどう園に来てからトータルで4時間ほど経っていました。 私はテーブルを片付け、ハサミを返しに受付に向かいました。ハサミを辻本さんに返すと、辻本さんがいろんな種類のブドウを販売しているではないですか。
こちらは、家でも食べたい人のための、持ち帰り用のデラウェアの価格表です。ちなみにこちらも英訳してあげました。
最後の感謝の印として、辻本さんからきれいに包装されたハニービーナス2袋をいただきました。辻本さんはどうぞ持って帰ってときかず、私は断りきれませんでした。早速1粒食べてみたところ、おいしかった!
辻本さんと岡本さんのおかげで、素晴らしいぶどう狩りを体験できました!何も考えずにぶどう狩りに臨み、帰る頃には顔から満面の笑みがほころび、お腹いっぱいの状態になった私。ぶどう園は設備が整っていることもあって、リラックスして過ごせた日曜日の午前でした。
この日の体験からたくさんのものを収穫することができました――初めて日本のぶどう園を訪れ、たくさんのおいしいブドウを味わい、素晴らしい写真を撮り、食べ頃のデラウェアを摘む方法を学び、翻訳のお手伝いをし、昼食をごちそうしてもらったうえに、おいしいブドウのお土産もいただいてしまいました。
まさに実りの多い体験でした。
- 所在地(山ゆり案内所)
- 三重県名張市青蓮寺976
- 電話
- 0595-63-7000
- 詳細は下記をご覧ください
- 青蓮寺湖ぶどう組合オフィシャルウェブサイト