夏の明神平でテント泊、そして夜の宴

東吉野村、標高1300mの野営地・明神平を目指して

夏の夕刻。

ヒグラシの大合唱を聞きつつ5人で山へと入っていく。

今日目指すのは、奈良県と三重県の境の標高1300mほどに位置する野営地としても有名な明神平。途中のコンビニで買い出しを済ませ、奈良県は東吉野村にある大又林道終点駐車場に車を止めて出発。ここに来る途中、何度も積乱雲の下を通過し激しい雷雨に遭い「本当に今日大丈夫か?」と不安視する声も聞かれたが、事前の天候予測の通り駐車場に到着する頃には雨も上がり気持ちの良い風が吹いていたのだった。

明神平には高校や大学の山荘もあるがそれらは一般の者は利用できない、私達はもちろんテント泊だ。一泊とは思えないほどの大荷物を背負い担ぎ上げていく面々。その中身はご想像通り大量の食糧とアルコール類。今回の主たる目的は宴会であってキャンプは二の次なのだ。

Trekking in Myojindaira Myojindaira

途中沢を渡り深い森の中の九十九折のトレイルを登っていく。夕闇が迫りつつあるので通常よりもハイペースで標高を稼いで行く。初めのうちは冗談交じりで楽しくしゃべっていたのが、だんだんと口数が少なくなってきた。この山をよく知るメンバーが多いので安心してついていけるが、通常なら明るいうちに目的地に着くことが望まれる。

目的地直前の水場で必要な水を汲み、ほぼ2時間で明神平に到着。テン泊する人は他にはいないようだ。午後7時、幸いまだ薄明るく真っ暗になる前にテントを設営出できたのでよかった。

 

テント設営完了と同時に皆ビールを開け乾杯! さあ、ここからは宴の始まり始まりだ。焼き肉やアヒージョ、刺身──凝った物は作らないが山の上で食べるには贅沢な食事が続く。アルコール類も何でこんなに持ってくるのっていうほどの量。

 

途中でクワガタがテントに飛んできたり、メンバーの一人が毒虫に刺されて水膨れになった皮膚を見て気持ち悪がったりしつつ夜は更けていった。真夏とはいえ標高1300mあると夜は若干寒くなり、フリースを着て過ごす。寝る時もフロアレステントにマットを敷き、薄手のダウンシュラフを開けて寝てちょうどいいくらい。心地よい空気の流れが眠気を誘いあっという間に夢の中。

 

翌朝。

決まって野営の時は早く目覚める。まだ早いので、うだうだとシュラフの中で過ごしていると誰かがテントから出てくる音。私も出る、すると次々仲間も各自テントから出てきだした。

 

朝の湿った空気を吸い、コーヒーを沸かし一息入れる。その後ゆっくりと朝食の準備を始める。パンに目玉焼き、カップラーメン、鍋焼きうどん等々個性的な朝食風景になる。帰りの荷物を減らしたいのもあって朝から食べる食べる。

 

朝食を済ませ気温が上がるのを待ちつつ、のんびりと撤収を開始する。テントが夜露でビショビショになっているしシュラフも湿っている。それらを乾かしながら他の物をザックへと詰めていく。

撤収完了。

一番左が著者です

ゴミや忘れ物が無いかを再度入念に確かめ、昨夜の野営地に別れを告げて下山開始。帰りの荷物は軽いのなんの。昨日あれ程きつい思いで登ったトレイルも下りはラクチン、あっという間だ。それでも長い長い下り道は酒の残った寝不足の体に徐々に効いてくる…。駐車場まで戻ってくると足がパンパンになっていた。その疲労感も思い出となり気持ちの良い余韻を残しつつ帰路についたのでした。

このトレッキングは2017年夏のものです

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