人里離れた森にたたずむ、魅惑の半夏生園

Lizard’s Tail Garden of Okada Valley / 岡田の谷の半夏生園

みなさまこんにちは。季節の変わり目とともにどこからともなくやってくる、ENNのめぐです。毎夜、暑苦しくて寝苦しい...なんとも悩ましい季節になってまいりました。いいかげん厚手の羽毛かけぶとんを剥ぎ取ろうと思ってみるものの、常に何かに包まれていたくて、大量の汗をかきながら過ごす私です。

そうです、癒されたいのです。

今回は、奈良県の御杖村(みつえむら)というところに、魅惑の白い半夏生(はんげしょう)が一面に見れる場所があるというのを聞きつけ、行ってみることにしました。半夏生ってなんだろ…? 最新のメイク方法かと思っている人もきっと多いことでしょう。

 

Lizard’s Tail / 半夏生

ここでいう半夏生とは植物のことで、7月ごろから徐々に葉っぱ部分の半分が白くなり、白い穂状の花が咲くどくだみ科の多年生植物です。そんな見た目から、半分だけ化粧をしている半化粧(半夏生)とも言われているようです。あながち、最新メイクと間違っていないようでしたね。では、早速行きましょう!

 

半夏生園に行く前にまずは道の駅「姫石の湯」へ

Map - Mitsue Village

はっきりした場所もわからず、なんだか謎につつまれた「岡田の谷の半夏生園」。奈良県と三重県の県境の人口約1,500人ほどの小さな村にあるようです。大阪からは車で約1時間半程度。今回は三重県名張市から、とりあえず御杖村の道の駅でもある地元の温泉施設「姫石の湯(ひめしのゆ)」まで車で行ってみることにしました。

 

Fishing at river / アマゴ釣り

名張市から出発すると、ひたすらこの緑生い茂る美しい道、368号線を進むのみです。村まで行く道中、初夏の涼しい風を感じなが、のどかで美しい川沿いを車で走ります。

 

今の時期はアマゴ釣りが時期らしく、平日にも関わらず、釣り人達が釣りを楽しんでいました。アマゴ釣りをしたい人は、近所のお店で入場券を買いましょう。My竿がある人は、ここで綺麗な川と戯れながらアマゴをゲットしてみるのも楽しそうですね。

 

On the way to Himeshi no Yu / 姫石の湯へ

「姫石の湯」がある道の駅はもうすぐそこです。

 

Himeshi no Yu / 姫石の湯

大きな看板が見えてきました。「姫石の湯」に到着です。ここでトイレ休憩をしてもいいし、ご飯を食べても、帰りに温泉に寄るのもいいですね。併設されている道の駅では、特産品や地元で採れた新鮮でみずみずしい野菜も購入できますよ。食卓のお供ににいかがでしょうか。

奈良県のマスコット「せんとくん」と、御杖村のご当地キャラ「つえみちゃん」が炎天下の中お出迎え。なんともシュールな光景でございます。どうやらつえみちゃんは魔法が使えるようで、この顔出しパネルに顔をはめると、その人は幸せの魔法にかかるそうです。いとも簡単に魔法をかけることのできるつえみちゃんは、恐ろしく凄い子なのです。

Mitsue Tourist information / 御杖村観光案内所

実はここ、観光案内所なんですね。というわけで御杖村の美しいお姉さまに半夏生園までの行き方を聞いてみました。お姉さまによると、ここからあと5分程度で着くとのこと。車は、半夏生園から歩いて5分のところにある幼稚園の跡地、神末中央集落センターに駐車してくださいと言われました。岡田の谷の半夏生園はいったいどこにあるのか…半夏生さまのちょっとやそっとじゃ見せてくれない小悪魔感、ぞくぞくします。

 

半夏生園と村人の温かさに触れた美しい自然が残る御杖村の魅力


それでは姫石の湯を出発。来た道をそのまままっすぐ進みます。進むとすぐ右手に御杖村で有名なピザ屋さんがあります。ご夫婦こだわりのお店で、私も何度か行ったことがあるのですが、店内には本格的なピザ釜もあり、できたてほやほやでとっても美味しいのです。


そんなピザ屋さん「Pizzeria e Trattoria Renone」を過ぎると交差点があるので、そこを左に曲がりましょう。ちょうど目印に、御杖神社と書かれたシンプルな看板がありますよ。

Mitsue Shrine sign / 御杖神社看板

 

今度は突き当たりを左に曲がり、小さな橋を渡ったらすぐ右へ曲がります。目印は「神末辻本」と書かれたつえみちゃんのお顔があるバス停です。

Kozuetsujimoto bus stop / 神末辻本バス停

 

方向音痴な私は、ここでどっちの道に行ったらいいかわからずさまよってしまい、小さな橋のすぐそばにあるお店の親切なおばあちゃんに尋ねました。おばあちゃん曰く、すぐそこに「東禅寺」という看板があるのでそこを左に曲がるようです。

Tozenji-Temple sign / 東禅寺看板

目と鼻の先にありました。左に曲がりましょう。

 

Parking / 駐車場所

すると白い建物があるのでそこをまた左折すると、神末中央集落センターがあります。

 

Path leading to the garden / 半夏生園に続く道

車から降りたら、まずは深呼吸して御杖村の美味しい空気を独り占めしましょう。深呼吸が終わったところで、白い建物の向かいの道をまっすぐ歩きましょう。ここからまっすぐ行けばすぐに岡田の谷の半夏生園に到着するはず!…が、またしても方向音痴を発揮してしまった私は、別の道へ出てしまいました...。

そんなとき、坂道に別のおばあちゃん発見! 坂道を登って行き、念の為この道であっているか聞くと「こっちじゃないよ。かわいそうに!」とおばあちゃん。

天才的な方向音痴を発揮してしまった私が右往左往していると、後ろからさっそうとバイクが走ってきました。なんとさっきの、橋の近くにあるお店の一人目のおばあちゃんが「案内してあげる」とやって来たのでした。

おばあちゃんは近くの民家にバイクを停め、開口一番
「御杖村に住んでるけど、実は半夏生園には1回も行ったことがないの。でも案内するわ!」
なんて、かっこいいおばあちゃんなんでしょうか。親切かつ潔いおばあちゃんの言動に私は胸を打たれました。

そういえばここに来るまで、少なくとも3〜4人の村人に道を聞いたのですが、とんだ方向音痴野郎な私なんかにも、皆様とても親切で、もう半夏生園のことより御杖村の人々の親切さに終始惚れ惚れしておりました。都会で荒波に揉まれて乾燥しきった私に、まるで一滴の高級美容液が浸透したような気分でした。

 

Sign of Lizard's Tail Garden / 半夏生園の看板おばあちゃんとウキウキ話をしてそうこうするうち、「半夏生園」と書かれた小さな看板がちらほら見えてきました。

 

Door to the garden / 半夏生園への扉

更に進むと、厳かな扉が目の前に。そういえば、観光案内所の美しいお姉さまから
「鹿が勝手に入ってくるから半夏生園の入り口の扉は必ず閉めて下さい」
と言われたことを思い出しました。

 

Like the Ghibli world / ジブリの世界みたい扉の向こう側は、なんて神秘的な空間なんでしょう。マイナスイオンたっぷりすぎて、ジブリの世界へ迷い込んだかのような雰囲気です。

 

Walking / 歩く

おばあちゃんと、進むジブリ風の道。滅多にない経験!

 

ジブリの世界のような道を抜けると、そこは岡田の谷の半夏生園

Lizard's Tail / 半夏生魅惑の半夏生が約3,000m2に渡って広がっています。なんとここの半夏生は奈良県の準絶滅危惧種に指定されており、奈良県景観資産にも登録されているのです。おばあちゃん曰く、昔この土地を田んぼとして利用していた人が半夏生を植えて、村の観光名所として利用できればと思いできたのがこの岡田の谷の半夏生園らしいです。そんなこともあり、いつでも無料で見られるのです。

例年の見頃は7月上旬から下旬だそうで、遠方からわざわざ見に来る人もいるそうです。御杖村には民泊や宿泊場所もいくつかあるので、のんびりお泊まりも可能ですよ。バスも運行してますが、あまり本数もないので半夏生園へは車で行くのがベストでしょう!

私が取材に行った日は半夏生はまだ完全には白くはなかったのですが、人々の温かさに触れることができて、これだけでも十分行った甲斐がありました。御杖村の自然と村人と戯れたおかげで、すっかり癒されました。

そうそう、7月6日から7月21日(2019年)の期間中、土日祝日に限り半夏生園の入り口付近でイベントが催されるようです! 無添加のお漬け物、御杖村産の新鮮野菜、スペシャル焙煎水出しコーヒーなどの特産品を販売するそうですよ。くやしい! また行くしかない!(イベントの詳細はこちら

村人大好き度
場所のわかりやすさ
穴場度

岡田の谷の半夏生園
所在地:〒633-1301 奈良県宇陀郡御杖村神末2735
見頃:7月上旬〜下旬
入場料:無料
リンク:このサイトの情報ページ
御杖村観光協会のページ

 

みつえ温泉姫石の湯
所在地:〒633-1301 奈良県宇陀郡御杖村大字神末6330
リンク:みつえ温泉姫石の湯公式サイト

Pizzeria e Trattoria Renone
所在地:〒633-1301 奈良県宇陀郡御杖村神末168
リンク:Pizzeria e Trattoria Renone公式サイト