青蓮寺(しょうれんじ)湖畔にある「サイクルプロショップrpm」のレンタサイクルを利用して、ススキで有名な曽爾高原(そにこうげん)のヒルクライムに挑みます(4.5km/獲得標高330m)。坂を上っていくと展望も開けてきて、上りごたえも満点!
・・・といっても、電動自転車をレンタルしたので、坂道もラクラク!
そして、今回は受験で運動不足の長男(中学3年)と親子ライドを楽しみました。
「東奈良名張やまなみライド」とは、関西東部の深い山と渓谷、山里を駆け抜ける一連のサイクリングコースです。詳しくはこちら
行 程 | サイクルプロショップrpm=青蓮寺湖=香落渓=曽爾高原ファームガーデン=曽爾高原=みつえ高原牧場=道の駅 伊勢本街道御杖=ひなち湖=サイクルプロショップrpm |
走行距離 | 56.8 km |
獲得標高 | 814 m |
実施日 | 12月5日 10:30~16:30 |
難易度 | ★★☆☆☆(人によって異なります) |
詳しいコースガイドはこちら(PDF:2.5MB) |
- 目次
見せて貰おうか。電動自転車の性能とやらを!
青蓮寺湖畔にある「サイクルプロショップrpm」でレンタサイクルの手続きをします。
開店時間の10時にお店を訪れました。店舗は「青蓮寺湖観光農園」の文字が目立ちますが、青蓮寺湖周辺はぶどう狩りが有名で、シーズンになれば「サイクルプロショップrpm」の隣はぶどう狩りの受付に様変わり!周辺にはダムサイトの駐車場もあり、車で訪れることができます。
レンタサイクルは、電動自転車、クロスバイク、ロードバイク、さらには、タンデム自転車とバラエティ豊か。
当日貸出も可能ですが、前日午後6時までに電話などで予約をすれば安心です。氏名、電話番号、身長、年齢、レンタル期間、希望車種を伝えてください。来店時にレンタサイクル申込書に必要事項を記入し、身分証明書(運転免許証、学生証等)を提示します。18歳未満は保護者の同意書もしくは同伴が必要となります。料金は前払いです。
利用料金(税込/令和3年12月現在)
▼タンデム自転車 2時間以内2,000円、1日4,000円、一泊二日6,500円 3日目以降+3,000円/日
▼クロスバイク 4時間以内2,000円、1日3,000円、一泊二日4,500円 3日目以降+1,500円/日
▼ロードバイク 4時間以内3,000円、1日3,500円、一泊二日6,000円 3日目以降+2,500円/日 ※パンク対応セット貸出あり(1日800円/2日目以降 +400円/日)、自転車回収サービスあり(2,000円/台・名張市内に限る)
今回は、電動自転車とロードバイクを借りることにしました。右が長男で、左が筆者。小学生のころから親子で自転車で出かけたりしていました。
ロードバイクには、ライトや鍵などのほか、サイクルコンピューターも付属。「ロードバイクってどんな感じなのかな?」という初心者も安心です。適応サイズや乗り方などは、店長の北森さんが丁寧に教えてくれます。
電動自転車は初めて乗りましたが、手元のパネルでアシスト力を調整します。自動で調節してくれる「AUTO」モードもあるので簡単。25kmに達すると電動アシストが切れて、自走モードになります。
「行きまーす!!」
ロードバイクで勢いよく走り出す長男。青蓮寺ダムの堤頂道路を走って右折し、青蓮寺湖畔を進みます。
湖畔の赤い橋を渡るころ、「電動自転車って、どんな感じ?」と長男。早速、長男に電動自転車を奪われてしまいました。
青い橋を渡って左折。青蓮寺湖「絶景眺望の地」まで坂を登ってみることに。
「見せて貰おうか。電動自転車の性能とやらを!」
「ええぃ!電動の自転車は化け物か!」
あっという間に、長男の乗る電動自転車は坂を上っていき、「絶景眺望の地」へ。これなら、受験で運動不足の長男でもラクラク坂を上れてしまいます。
ときどき自転車を交換しながら曽爾高原を目指し、香落渓(かおちだに)を進んでいきます。12月に入ると、紅葉も終わりを迎えていますが、11月中の渓谷は、紅葉で鮮やかに彩られます。
のんびりと曽爾村を走ります。
「蕎麦屋を過ぎてすぐ左折すると近道やねん」
長男が教えてくれました。なかなか道に詳しいやないか!
「サイクルオアシス」の看板が目印の「新宅分店」は曽爾高原に一番近いコンビニエンスよろずや。空気入れの貸し出しなどサイクリストのおもてなしもしています。
新宅分店を過ぎて、2つ目の橋を渡ると、いよいよ曽爾高原へのヒルクライム、通称「曽爾クライム」が始まります。
曽爾クライム」電動VSロード
見事だな!しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ
自転車の性能の違いが、登坂力の決定的差ではないということを…教えてやる!
壮大な鎧岳をバックに始まったヒルクライム親子対決。電動自転車にまたがる長男は、涼しい顔で私の前を走っていきました。
「見事だな!しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ。その電動自転車の性能のおかげだという事を忘れるな!」
前方に広がる曽爾高原を見ながら、汗をかきかきペダルをこぎこぎする私。悲しいけどコレ、「フラットペダル(※)」なのよね…。
※自転車のペダルには「フラットペダル」と「ビンディングペダル」の2種類があります。レンタル用ロードバイクは、足を固定せず「置いて」漕ぐ「フラットペダル」仕様。「ビンディングペダル」は、スキーのように靴をペダルに固定するので、足を引き上げる力も使え、坂もスイスイと上っていけるのです。
1.5kmほど上ると、曽爾高原ファームガーデンに到着です。
レストランでは、曽爾産や奈良県産の野菜をふんだんに使用した「お野菜ランチ」を注文。地元野菜の盛り合わせは、しゃきしゃきのお野菜を。季節の野菜ベジタブルスープは、ほうれん草とブロッコリーのポタージュ風のポトフで、濃厚な味わい。鶏肉も入っていました。曽爾産のお米で作られた米粉パンももっちもちでくせになりそう。スープにつけて食べるとまさに最高のコンビネーション!
長男は「ヤマトポークヒレとんかつセット」〈1,750円)を注文。あっという間にぺろりとたいらげてしまいました。
※曽爾高原ファームガーデン(すすきの館・麦の館)は改修工事のため、令和4年3月31日まで休館となります。
そして、忘れてはならないのは「大和コーラ」(470円)。
こんな香りがよくて味わい深いコーラは飲んだことがありません。それもそのはず、このコーラが何からできているのかというと、奈良県にゆかりの薬草「大和トウキ」、絶滅危惧種に指定されている日本固有の柑橘類「大和橘」、その樹皮は修験者の秘薬として知られる生薬の「キハダの実」という実に貴重で身体が喜びそうな食材ばかり。そのお値段にも納得です。
売店でも売られていますので、ぜひ手に取ってみてください。
併設の「お米の館」のパンもおいしそう!上質なお湯で人気の「曽爾高原温泉 お亀の湯」と隣接しているので、また車で来た時に寄って帰ろうと思います。
お腹を満たした後は、曽爾高原までもうひと上り。ここからは、息子がロードバイク担当。3kmほどつづら折りとなっている坂を上ります。お~っ、頑張って上っていきますよ。頼もしい!
・・・と思っていると、交代したいと言い出しまして…。
10%を越えるようなかなりきつい勾配も…。ロードバイクと電動自転車を親子で何度か交代しながら「曽爾クライム」攻略を目指します。ロードバイクも電動自転車もギアを軽くしてゆっくりと上っていけばいいのです!
ついに曽爾高原に到着です!
倶留尊山(くろそやま)のふもとに広がる広大な曽爾高原は、春や夏は緑のじゅうたん、秋にはススキが斜面を覆います。
倶留尊山の名前の由来は、仏様の過去七仏に倶留孫仏(くるそんぶつ)というお姿があり、その仏様を信仰するための場所だったからとされ、麓には15mもの大断崖の倶留尊石仏がそびえ立ちます。中腹には不動滝もあり、修験者の行場であったとされます。
そんな山を越える「曽爾クライム」は、自然と一体となって自分と向き合える貴重な時間。坂を上り切った時、息子がまた一段と成長したように感じました。
曽爾高原を後にして、御杖村へ向かいます。
上ってきた道まで戻って左折。みつえ高原牧場・松阪市方面へ。「ならクル」(奈良まほろばサイク∞リング)のルートにもなっています。
この風、この肌触りこそ高原よ!
山の稜線を眺めながらのダウンヒルは実に爽快!高原の広い道を下っていくと、みつえ高原牧場が見えてきます。
甲子園球場約17個分という広大な「みつえ高原牧場」には、牛が放牧されていて、のんびりとした雰囲気。
この風、この肌触りこそ高原よ!
下りきって国道369号に出れば、松阪方面へ向かいます。
電動バッテリーの限界…
こういう時、慌てたほうが負けなのよね
国道369号は、アップダウンを繰り返します。
バッテリー残量「1」の表示をみて、「もしかしてバッテリーがほとんど無いんと違う?」とつぶやく息子。「ここで?」と驚く私。
そこから、電動自転車の譲り合いが始まりました。そうです。バッテリーが切れた電動自転車で坂を上るのは、なかなかの苦行なのです。
こういう時、慌てたほうが負けなのよね。
ここからは、坂道だけバッテリーを起動させて平坦道は自力で走ることに…。電動自転車をレンタルするなら、青蓮寺湖と曽爾高原との往復ぐらいがいいかもしれません。
しばらく走って前方に見えてくる大きな山は「大洞山(おおぼらやま)」。麓にある真福院というお寺の山門に至る500本あまりのヤマザクラの並木は国の名勝で、「三多気の桜」として親しまれ、「さくら名所100選」にも選ばれています。
大洞山が見えてくると左手に現れる「道の駅 伊勢本街道御杖(みつえ)」に立ち寄ります。
道の駅内には、温泉施設「みつえ温泉姫石の湯」、毎朝採れたての野菜や加工品が並ぶ農産物直売所「街道市場みつえ」、観光案内所があります。この日は、観光案内所で五平餅やこんにゃくをいただきました。
深まる親子の絆…
君は走り抜くことができるか―
電動アシストなし自転車とロードバイクを交換し合いながら、国道368号を北上。前方左手に俱留尊山(曽爾高原のある山)がみえてきます。東側からだと断崖の険しい山であることが分かります。
名張川沿いを進みます。国道とは思えない細い道です。
ひなち湖の上流にある「長瀬公園」。バーベキュースペースもあり、夏は子どもたちの泳ぐ姿がみられます。
国道を左折しダム湖周辺道路へ。ダム湖の西側道路は車もほとんど通らないので、ゆったりと走れます。再び国道368号に合流し、トンネルの手前の信号を左折します。
比奈知(ひなち)ダムは、「天端側水路(てんばそくすいろ)」という日本のダムで4つしかない珍しい構造のダム。ダム湖の水が満杯になったときに、ダムの天端のすぐ下にある水路にいったん水をためて、ダム下流の狭い川幅へ安全に水を流せる仕組みです。ダムの下流すぐには初夏になれば蛍が舞う「比奈知親水公園」があり、市民に親しまれています。
一つ目の信号を左折し、名張川沿いを進むと県道81号へ出ます。
県道81号を左折すれば、青蓮寺湖へと続く坂を上ります。ここで電動自転車のバッテリーをオン!最後の力をふり絞ります。が、すぐにバッテリーはゼロに…。
励ましあいながら、なんとかダムの堤頂道路まで上り切ればゴールの「サイクルショップrpm」は目前です!
無事到着し、店長から褒められる長男。よう頑張ったな!!
少し時間があったので、タンデム自転車にも挑戦。苦難?を乗り越えた親子の息はぴったり合ったとか、合わなかったとか…。
いろいろありましたが、長男と「曽爾クライム」を走り抜くことができ、少しは親子の絆も深まったかな。受験が終わったら、また一緒に走ろな!!
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