伊勢南街道(別名・和歌山街道)のうち、奈良県東吉野村を通るルートをご紹介。三重県との県境、高見峠まで歩くコースです。
紀州から大和に入り高見峠を越えて現在の三重県松阪市へ至る、伊勢南街道。塩や米、魚を運ぶ交易路として重要な役割を果たしたほか、伊勢や熊野、吉野などに詣でる多くの旅人で賑わいました。また、江戸時代には紀州藩が参勤交代で使用し、多くの藩士がこの街道を行き来しました。その全長は約180kmにおよび、別名「和歌山街道」「紀州街道」「大和街道」とも呼ばれます。街道最大の難所は、奈良と三重の県境にある高見峠。標高1,249mの高見山を越えるもので、現在は登山道が整備されています。
東奈良名張エリアでは、吉野郡東吉野村が街道上に位置します。村内には高見山の登山口があるほか、明治維新に関連する碑や街道の道標が建ち、歴史の変遷を静かに教えてくれています。
奈良県吉野郡東吉野村鷲家
シダレザクラで有名なお寺。豊臣秀吉が1598年醍醐寺で開いた花見に、宝蔵寺より桜が取り寄せられたといわれており、秀吉が眺めた桜と関係のある桜がこの地に咲き続けています。見頃は例年例年4月上旬~中旬です。
奈良県吉野郡東吉野村大字木津58-1
奈良県吉野郡東吉野村杉谷
少し手前にある小峠に対し大峠とも呼ばれる高見峠。奈良県と三重県の境に位置し、標高が約900mという伊勢南街道最大の難所でした。現在では、関西のマッターホルンといわれる高見山への最短ルートの登山口となっています。国学者・本居宣長がこの街道を通って紀州へ向かう際に詠んだ和歌の歌碑が建てられています。
奈良県吉野郡東吉野村杉谷