【東奈良名張やまなみライド】運気上昇! 香落渓・室生寺・赤目四十八滝 紅葉ライド

奈良県と三重県の県境にまたがる室生赤目青山(むろう・あかめ・あおやま)国定公園の見どころをギュッと凝縮!香落渓(かおちだに)、室生寺(むろうじ)、赤目四十八滝を巡ります。

山に渓谷、清流、そして湖と多彩な景色を楽しめるルートで、特に紅葉時期は、格別の美しさ。古来より龍神信仰で名高い室生の地をはじめ、パワースポットも数多く点在し、運気上昇も大いに期待!最後は温泉でさっぱり!そんな何度も走りたくなる実に贅沢なコースをご紹介します。

・「東奈良名張やまなみライド」とは、関西東部の深い山と渓谷、山里を駆け抜ける一連のサイクリングコースです。詳しくはこちら
・このページの掲載内容は公開当時の情報です。

大野寺

行 程 名張の湯=青蓮寺湖=香落渓=曽爾村=龍穴神社=室生寺=大野寺=赤目四十八滝=名張の湯
走行距離 66.7 km
獲得標高 980 m ※実走値
実施日 11月21日 8:00~15:00
難易度 ★★★☆☆(筆者による目安です)
詳しいコースガイドはこちら(PDF:4.3MB)
目次

青い湖面に紅葉を映し出す青蓮寺湖、全山が燃えたつような紅葉に彩られる香落渓を走る

 

癒しの里名張の湯

地元の自転車チームSMAに所属している筆者(中央)が、チームの会長(右)と監督(左)とともに、紅葉の名所でもある香落渓・室生寺・赤目四十八滝を巡ります。

スタートは名張の湯。露天風呂をはじめ、多彩なお風呂が人気。名張の湯を発着点にすることで、ライドの後は温泉で疲れを癒すことができます。

名張中央公園

「大人の遠足ライド」に心を弾ませながら名張の湯を出発!国道165号を横切り、名張中央公園へ。春は桜のトンネルが現れ、ここで開催される「名張桜まつり」は多くの人で賑わいます。県道81号(名張曽爾線)を進み、青蓮寺湖(しょうれんじこ)までウォームアップ気分で坂を上ります。補給食などは道中にあるコンビニで購入しておくといいでしょう。コンビニを過ぎると、しばらくお店はなく、奥深い山へと入っていきます。

Shorenji Lake

青蓮寺湖を横目に気持ちよく走り、しばらくすると見えてくる赤い橋(弁天橋)を渡ります。

青蓮寺湖にかかる青い橋

次に見えてくる青い橋は渡らずに直進します。湖面に映る紅葉が美しいですね~。

香落渓

青蓮寺湖の上流にあるトンネルを抜けると、そこは香落渓。関西の耶馬渓と呼ばれる渓谷で、まるで斧で断ち割ったかのような柱状節理の岩肌が約8kmに渡って続きます。

香落渓

紅葉を堪能しながら、ゆったりと走り抜けることができるのが自転車の魅力。車だとそうはいきませんよね。まだ朝が早いので渓谷全体に陽は射していませんが、時折差し込む光が神秘的。休憩は途中の紅葉谷でとるといいでしょう。トイレと駐車場があり、夏は川遊びもできる憩いのスポットです。

小太郎岩

高さ200mほどの垂直の岩壁が連なり、中腹にはライオンの顔を想わせるライオン岩がある小太郎岩。ここを過ぎると、渓谷を抜けて曽爾村(そにむら)の集落に入っていきます。

 

秋の曽爾村を疾走

 

曽爾村

雄大な自然を感じる曽爾村を進みます。奥は鎧岳。山容の威圧感が鎧武者を思わせ、大迫力!この景色の中走っていると、きっと運気も上昇するのだろうと思わずにはいられません。

遠くに見える屏風岩

このほかにも、曽爾村は屏風岩や曽爾高原のある倶留尊山など太古の火山活動で生まれた特徴ある山がたくさんあって、道中飽きさせません。時間があれば、曽爾小学校の奥に見えてくる屏風岩公苑に立ち寄るのもいいでしょう。

民宿2・7の前

民宿2・7(ツー・セブン)」付近は、鎧岳の絶好の撮影地。「民宿2・7」といえば、「奈良県自転車利用総合案内サイト」の「サイクリストにやさしい宿(自転車を安心して屋内に保管でき、自転車搬送サービスのとりつぎが可能な宿泊施設)」としても登録されています。近くにある「新宅分店」もまた、「休憩所」として登録されていて、空気入れの無料貸し出しなども行っています。

国道369号

室生方面へ向かう国道369号で3kmほどの上りがありますが、上りきると室生寺まで爽快な下りが待っていますので、頑張りましょう!上りに自信のない方は、できるだけ軽いギヤで挑戦してください。

なお、坂を上りきるころ、国道には長いトンネルがありますので、本来は右折して林道を上っていくのですが、この日は土砂崩落のため通行止めとなっていたため、直進。トンネル内を走ります。トンネルは2つ連続し、合わせて4㎞ほど。しかも上り勾配なので、だんだんと疲れてきますが、慎重に走ってください。前照灯と尾灯は必ず点灯を!

ようやくトンネルを抜けると室生寺方面へ右折し、県道28号「吉野室生寺針線」を北へ走ります。

いちょうの木

県道沿いに、大きな銀杏の木を発見。自転車を落ち葉の上に並べたりしながら、映える写真を撮り続けるおじさん3人。「ええとこやな」と思い立ったらすぐに立ち寄れるのが自転車のいいところですね。

 

神秘的な力を感じる室生の地

 

龍穴神社

しばらく走ると、龍穴神社が右手に見えてきます。この辺りの山は火山性地形のため洞窟が点在し、古来水の流れを司る龍の住処として神聖化されてきました。平安時代には朝廷から雨乞いの使者が遣わされたといわれます。鳥居をくぐると厳粛な雰囲気。この一帯は、すごく神秘的な力を感じ、走っているとパワーをもらえる気がします。

旅館中村屋

室生寺の門前町を少し走り、室生寺の太鼓橋が見えたら道をはさんで向かいにあるのが旅館中村屋。本日の昼食場所です。サイクルラックも設置されているのでおススメ。予約は不要ですが、予約しておくと安心です。

山菜定食

私は、山菜定食を注文。蕨のわざび和え大和芋のとろろ、そうめん、かぼちゃの酢の物など山菜料理が並びます。あまごの甘露煮は柔らかく頭からしっぽまでいただけます。素材を生かした優しい味が疲れた身体を癒してくれます。

中村屋

雰囲気の良い広い座敷でゆったりと食事をとることができます。

中村屋でそうめんをいただく

会長が注文したそうめんは、柚子とうがらしを入れると、柚の香りにピリッとした辛さで、あっという間にぺろりとたいらげていました。

室生寺の五重塔

食事の後は室生寺を散策。自転車は中村屋さんに了解をいただき、そのままラックに自転車を置いていかせていただきました。

室生寺は、女人禁制の高野山に対し、古くから女性の参拝が許されていたことから「女人高野」として親しまれています。春は桜やシャクナゲ、そして、秋は紅葉が素晴らしい古刹です。国宝の金堂や五重塔(日本最小)、やわらかな表情の仏像など、見どころも満載。お腹に続いて心も満たされました。

秋の室生寺・仁王門

実は、室生寺は、三輪山や、長谷寺、伊勢斎宮跡などと同じ緯度に並び、春分と秋分の日に太陽が通る「太陽の道」上にあるパワースポットとしても知られているのです。

よもぎ入り回転焼き

室生寺に来たら必ず口にするのがよもぎ入りの回転焼き。焼いてるおばちゃんもすごく親切で、ガムをくれることも。食べるスペースもあります。

回転焼きをほおばる

甘くてもっちもちのよもぎ入り回転焼きはチームのみんなの大好物。おもわず顔がほころんでしまいます。

近くの「室生よもぎ餅本舗 もりもと」へも立ち寄りました。柔らかくってよく伸びるよもぎ餅で人気のお店です。ただ、紅葉シーズンで行列ができていたので、また次回ということにしました。

室生寺を後にする

室生寺の門前町から、室生川沿いの県道を気持ちよく下っていき、室生ダム方面へ左折。曲がるとすぐに坂があります。食べた後の上りはしんどいですが、少しの距離なので頑張って上ります。右手にダムの堰堤が見えてきます。

室生ダム

ダムの堰堤を渡って小休止。眺めも良くて、トイレもあります。

大野寺方面へ

国道165号の下をくぐって大野寺方面へ。川沿いを進みます。この辺りは、なんだかノスタルジックな雰囲気が漂っています。

磨崖仏

すぐ右手に仏像「磨崖仏」が現れます。「室生寺の西門」でもある大野寺の対岸に位置し、岩壁に刻まれたその高さは13.8mで日本最大級を誇ります。800年前に彫られたという仏像は神秘的で、そのスケール感に驚かされます。

大野寺はしだれ桜で有名なので、春にもまた訪れたい場所です。ここから、近鉄 室生口大野駅方面へ進みます。

 

伊賀流忍者の祖 百地三太夫の生家がある竜口を通って赤目四十八滝を目指す

 

初瀬街道

室生口大野駅付近から、大和と伊勢を結ぶ「初瀬街道(はせかいどう)」を走り抜けます。宿場町であった三本松は、往時の面影をしのばせます。

国道165号

いったん国道165号に出て、1つ目の信号を右折。伊賀流忍者の祖 百地三太夫(ももちさんだゆう)の生家がある山深い竜口を経て、赤目四十八滝を目指します。

ただし、この辺りでもう疲れてきている人は、国道を名張方面へ進んでください。なぜなら、右折すればまた坂が待ち受けているからです。余力のある人は、頑張って、食べた分のカロリーを消費しましょう!

竜口へ向かう

伊賀流忍者の祖とされる百地三太夫屋敷のある竜口へはアップダウンが続きます。しかし、竜口から赤目四十八滝へと続く上りは、あまり人も訪れることもない知る人ぞ知る紅葉スポットなのです。

秋の赤目四十八滝
秋の赤目四十八滝(写真提供:名張市役所)

赤目四十八滝周辺は、起伏にとんだ険しい地形で、古くから修験者や忍者が修業したと伝わるパワースポットでもあります。滝の名前は「不動滝」「千手滝」「大日滝」など仏名にちなんだものがみられますが、これらには、赤目の自然景観を一台曼陀羅図に見立てて名づけられたとされ、四十八滝を全周すると諸願が達成されることに通じると考えられています。

 パワースポットを巡る今回のサイクリングルートもまた、完走すれば、きっと開運できるはず!・・・と、何事も信じることが大切ですよね。ゴールまであと少し。気を抜かずにしっかり走りぬきましょう。

赤目自然歴史博物館前

最後の目的地、赤目自然歴史博物館前に到着。ここには、サイクルスタンドがあります。自然歴史博物館は無料で入館でき、滝川を臨めるカフェもあります。博物館は、赤目の植物や生き物、歴史、そして忍者のことなどパネルや映像で赤目渓谷について知ることができます。

赤目滝を散策したい方は歩きやすい靴があるといいでしょう。入山口までは、ここから歩いて5分ぐらいです。

博物館前は、この日、物産展や観光ブースなどで賑わっていました。

竹あかり

赤目四十八滝では、秋から冬にかけて「赤目渓谷 幽玄の竹あかり」も実施されています。名張市周辺に滞在される方は、幻想的で温かみのある竹あかりをお楽しみください。

りんごの入ったへこきまんじゅう「へこき姫」
りんごの入ったへこきまんじゅう「へこき姫」

赤目名物「へこきまんじゅう」の「たまきや」は、博物館の向かいにあります。

この日は、自身初めてとなる「へこきアイス」を注文。いったいどんなアイスなのでしょうか?ポップをみると「さつま芋アイスを、へこきではさみました」と書いてあります。もう言っている意味が分かりませんよね。「へこきまんじゅう」に「へこきアイス」…。始めて耳にする人にとって刺激的なネーミングかもしれませんが、「へこきまんじゅう」は、サツマイモの自然な甘さが魅力のスイートポテトなんです。地元の子どもからお年寄りまで大好きなスイーツです。

へこきアイス
へこきアイスは、急いで食べないと溶けてしまう

「受け取ったらはよ食べやなアカン。なに悠長に写真なんか撮ってるねん」と会長。そうなんです。あったかい「へこきまんじゅう」に挟まれたアイスは、すぐに溶け始めてしまうのです。皆さんも十分お気を付けください。

 

最後は名張の川と古いまちなみをセットで

 

名張川沿いを走る

賑わう赤目滝を後にして、滝川沿いの県道を爽快に下り、宇陀川沿いに名張の市街地へ。市街地に入ると名張川沿いを走ります。そうです。名張は川のまち。たくさんの川とダムに囲まれています。名張のように川のすぐそばに市街地が広がっている風景は珍しいそうです。

名張の歴史あるまちなみ

造り酒屋や和菓子屋、武家屋敷(名張藤堂家邸)など、一部、大和と伊勢を結ぶ「初瀬街道」も通りながら、歴史あるまちなみを抜け、ゴールの「名張の湯」へ到着です。

名張の湯で疲れを癒やす

到着後は、名張の湯の広々とした露天風呂や多彩な岩盤浴で疲れを癒します。お疲れさまでした。