【東奈良名張やまなみライド】やまとひめ巡礼ルート

田舎と都会の分断を体験

御杖村(みつえむら)を訪れる日が来るなんてとっても感激です。というのも、私の大好きな日本のコメディ/ドラマ映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)』(2014)は、御杖村の近くで撮影されたからです。東京から来た青年が林業の仕事に就くのですが、そこは、携帯電話の電波も届かない、コンビニも信号もない山村だったのです。田舎と都会の分断がすごくリアル! 私は、御杖村のような地域ならではのゆっくりとしたペース、穏やかで美しい景色、野外アドベンチャー体験が大好き。そしてアドベンチャーを体験するにはやっぱり自転車がベストだと思います。2019年に三重県に引っ越してきて以来、自転車での田舎探索をますます楽しんでいます。

「東奈良名張やまなみライド」とは、関西東部の深い山と渓谷、山里を駆け抜ける一連のサイクリングコースです。詳しくはこちら

Mitsue Village

行 程 道の駅「伊勢本街道御杖」(レンタサイクル) = 敷津七不思議 = 丸山公園、姫石明神 = 道の駅「伊勢本街道御杖」 = 国津神社 (津市美杉町) = 赤岩尾神社 = 比奈知ダム = カフェ アートゥル = 名張駅   ルートマップ
走行距離 28.5 km
獲得標高 424 m
実施日 11月13日

いにしえの巡礼街道を走る

スタート地点は、名張駅から約22kmの道の駅「伊勢本街道御杖」。ご存知のように、道の駅は産直市場を兼ねた休憩所ですが、この道の駅にはレンタサイクル所や温泉もあります。レンタサイクルや直販所は朝10時開店だそうですよ。私が行った日は11月中旬の土曜日で、焼きたての温かい焼き芋、だんご、アメリカンドッグ、こんにゃくなどが1個100〜200円で販売されていました。そして、ここで借りた自転車は名張駅に乗り捨てできるそうです。

Michi no Eki Ise Honkaido Mitsue
道の駅「伊勢本街道御杖」にて

今回は「やまとひめ巡礼ルート」というサイクリングコースを走ります。なぜ「巡礼ルート」なのかというと、伊勢神宮への古くからの参詣道である伊勢本街道がこのエリアを横断しているから。

Yamato-hime route

さらにこのルートのエリアには、倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢神宮に向かう途中立ち寄ったと伝えられる7つの不思議な石のスポットがあり、「敷津(しきづ)七不思議」と呼ばれています。ひとつひとつ“不思議”を見つけていくのはまるで宝探しのよう。

走っていくとまず、シカやイノシシから農作物を守るため設置された高いフェンスが見えてきます。どうやら最初の“不思議”を見るには、この“シカの門”の向こうに行かないといけないみたい。

Fence
忘れずに門を閉めること

御杖村の「敷津七不思議」

第一の不思議は、倭姫が子宝を祈願した岩です。なぜ、この石を選んだかわかる? 触ってもいいみたい。私は触っちゃいましたよ。よ〜く見てください。

Wonder 1
子もうけ石

看板の番号で、七不思議のうち何番目の“不思議”かがわかるようになっています。各スポットにはスタンプとスタンプ台が入った木箱があるので、台紙を持っていくといいかも。

2つ目の不思議は、倭姫が座って月を眺めていたというベンチのような岩。あたりには風情ある古民家が並び、近くには街道の目印となる大きな石灯籠が立っています。倭姫が月を眺めた夜にも灯籠に明かりが灯っていたのかな。

Wonder 2
月見石

次の不思議は、「夫婦岩」です。私はその上のほうにぶら下がっているキウイフルーツの方が気になったんですけどね。

Wonder 3
夫婦岩

Kiwi fruits

数メートル先にもう一つの“不思議”発見。有名な僧侶が杖で掘った井戸だそうです。個人宅の玄関先の隠れた場所にあるのですが、ちょっとのぞいてみるくらいならOKのようですよ。

弘法井戸
弘法大師が杖で掘ると泉水が沸いたとされている「弘法井戸」

“一番ワンダフルなワンダー” ?
いちおしパワースポット

丸山公園を過ぎ、桜やもみじの木の丘へと変わっていく景色。私たちは終点の小さな駐車場に自転車を停めました。

Path to Maruyama Park

Maruyama Park
丸山公園

そして、苔むした階段を下りていくと、

To Himeshi Myojin

そこは七不思議の中でいちばん神秘的な場所、姫石明神(ひめしみょうじん)。女性のおしりの形をした岩が鎮座しています。

神聖なものなので、触っちゃいけないのかな。倭姫がここで祈願して婦人病が治ったという言い伝えあるそう。婦人科で診察してもらうよりここでお祈りしたほうがずっと気分がよさそうですよね?

Himeshi Myojin / 姫石明神
姫石明神

Himeshi Myojin

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最後は、「金壺石(かなつぼいし)」という石。毎年この石の上で金の鶏が元旦の夜明けに鳴いたという伝説があるらしいです。でも、まだ“不思議”は6つしか見つかってませんよ?どこで見逃したんだろうか。さて、あなたは見つけられるかな?

Wonder 6
6つめは「金壺石」

「敷津七不思議」めぐりは、短めのルートをのんびり走りたいという人にはちょうどいい距離なので、そういう人は他のスポットは省略して、この七不思議のみ回ってもいいかもしれません。

道の駅「伊勢本街道御杖」

道の駅に戻り、甘辛いタレがかかっただんごを食べて一息ついたら、またまたパワーアップ。

Gohei-mochi
だんご型の五平餅

そして、産直市場をのぞいてみると、バスケットボールよりも大きな白菜と、ココナッツのような根菜を発見。

Chinese cabbage
巨大な白菜

ガイドさんの説明によると、このココナッツのようなこの根菜は、隣で売られているぷるぷるした、低カロリーで高繊維質の“こんにゃく”の主原料なのだそうです。外国人のみなさん、こんにゃくに挑戦してみますか?

Konnyaku
左:こんにゃく芋/右:こんにゃく

 

国津神社

次のスポットは国津神社(三重県津市美杉)。神社への階段は銀杏の実で覆われていました。階段の上に何があったかは内緒。とにかく、ものすごくパワーを感じました。

赤岩尾神社

それでは次!少し走り、幹線道路からそれて赤岩尾(あかいわお)神社へと進みます。自転車を大通りに停めて(ロックを忘れずに)、急勾配の山道は歩いて登るのをお勧めします。実は私たち、この450mの上り坂を自転車で上ってしまい、心臓ばくばくでたいへんでした。

To Akaiwao Shrine

赤岩尾神社に立ち寄ると30〜40分余分にかかるので、もし気乗りしなかったらパスしてもいいかなと思います。でもこの日は私たち、10分ほどで林道入口の鳥居にたどり着きましたよ。

Entrance to Akaiwao Shrine

森の中を歩くのはいい気分転換になりますね。

Path to Akaiwao Shrine

神社へと続く道。赤岩尾神社は、火山岩でできた五角形の岩が連なる岸壁の麓にあります。

Torii gate at Akaiwao Shrine Rock wall at Akaiwao Shrine

アイルランドのジャイアンツ・コーズウェイ と同じような超自然的な地質現象ですが、こちらは、こっそりと見に行くような、小さくて知る人ぞ知る空間という感じ。

さらに数分進むと...

To the sacred wind tunnel

神聖な風穴を護るように立つもう一つの鳥居。でもその日は風もなく、私の持っている風穴のイメージとは違っていました。風を感じるかどうかは、その日によるのかもしれません。

Wind tunnel at Akaiwao Shrine
岩洞風穴

湖畔で遅めのランチ

赤岩尾神社に寄り道した後、川沿いや渓谷沿いの道を進み、比奈知(ひなち)ダムを通過。

Hinachi Dam

交通量が少なく見晴らしのよいルートで、ダム湖周辺にはベンチやトイレのある小さな公園があります。そして、ガレットとケーキの専門店「カフェ アートゥル」を通り過ぎる…これは、立ち寄らないわけにはいきません!

By Hinachi Dam

Cafe Atre
カフェ アートゥル

川を見下ろすウッドデッキの席で、美しい景色とおいしいランチを楽しみました。このサイクリングコースは、カフェ アートゥルのケーキの品揃えと、下り坂が多いことにちなんで“Piece of Cake(ピース・オブ・ケーキ)”(「ケーキ一切れなら簡単に食べられる」という意味から、「楽勝」「朝飯前」の意味)と個人的に命名したいと思います。

At Cafe Atre

色んなものを眺めたくて、途中何度もストップしてしまいました。屋根から生える草、崩れ落ちそうな木造建築、水面にきらめく太陽の光、きちんと手入れされた小さな畑、農家から漂う雑草を焼く煙、さらさらとそよぐ背の高い草、小舟に乗った釣り人、赤い急勾配の屋根、陽の光を受けて輝く濃いオレンジ色の実[1]、などなど。さてあなたはこのコースでどんなものを見つけるでしょうか。のんびりと楽しんでくださいね。

Mitsue Village Mitsue Village

Mitsue-mura

 

[1] 長い茎の先に赤みがかったオレンジ色の実がたくさんついていたら、それはきっとマムシグサ ですよ。茎の皮の模様が、マムシの背中の模様に似ていることから、このように呼ばれているそうです。

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